
苦境を乗り越え、
地元企業の発展を支える
新ファンドを設立。

本部
2023年1月取材
Interview
- Work
- ソリューション営業
- Name
- 前澤 春行
Interview 01 心掛けていること

全体最適を図り、
すべての人が納得できるM&Aを。
私が所属するソリューション営業部は、M&A(※)にかかるファイナンス業務や、企業の新事業創出を支援するプロジェクトファイナンスといった大型かつ特殊な案件を担当する部署です。こうした案件はある程度内容が決まった段階で相談が寄せられることが多いため、一般的にはプランに基づいた条件交渉などがメインの仕事となりますが、私はどちらかというとゼロから案件を創りに行く営業活動を任されています。
M&Aなど大掛かりなプロジェクトでは、相反する利害関係者同士の意見をまとめていくファシリテーション力が重要です。そのため私は、皆が共通の目的を目指し、協力し合う関係性をつくるための「全体最適」を念頭に仕事にあたっています。
企業の経営陣や各部門の責任者をはじめ、関わるすべての人に対し今回のM&Aの目的とメリット、デメリットを説明し、それぞれの声に耳を傾けながら内容を調整していくのですが、このとき大切なのが「自分の利益のみを求めないこと」です。私一人が得をするような形では、みなさまの協力を取りつけることが難しくなってしまいますから。一人ひとりに会い、こちらが何を目指しているのか、相手は何を求めているのかを相互に確認しながら、誠実に泥臭く立ち回るほかに道はないのです。
※Mergers(合併)& Acquisitions(買収)の略で、企業の合併等により競争力向上を図る手法。
Interview 02 忘れられないエピソード

米国のファンドが担当企業を買収。
地元企業と共生するために一体何ができるのか。
忘れもしない、2014年のことです。私は津市内の支店に在籍し、さまざまな企業の経営支援を行っていました。その中の一社に、ある大手食品メーカーのお客さまがいたのですが、ある日突然、米国のファンドによる買収が発表されたのです。
これは当時まだ日本では馴染みのなかったプライベート・エクイティ・ファンドと呼ばれる投資ファンドによる買収で、寝耳に水の出来事だったことに加え、経験がない私たちには成す術もありませんでした。特に担当者であった私は、「今後お取引がなくなってしまうかもしれない」と悲嘆に暮れたことを覚えています。
その後、私は東京の国内大手銀行に出向。お客さまの企業価値を高めるM&Aファイナンスのアレンジ術と、それに伴う実務のノウハウを学びました。当時はっきりと会社から明言されたわけではありませんが、「あの時の悔しさを晴らす力を身につけてこい」という想いで送り出されたように思います。
そして2020年、ソリューション営業部に配属となります。すぐに私は、地元の税理士や弁護士とともに「三十三事業承継ファンド」と「組紐ファンド」という2つのファンドを立ち上げました。あの出来事を出発点として、地元企業は地元資本で支えるべきだという考えのもとに、地元に根ざした企業の経営を支援する活動をスタートさせています。
Interview 03 これからのストーリー

地元で業績を伸ばせる基盤をつくり、
地元の産業をもっと強くしたい。
私たちが追い求める理想は、一連の経済活動を地元で完結できる基盤をつくることです。建設業を例にお話しすると、大規模な建設事業は都市部にある大手ゼネコンが請け負い、そこから地場の中小ゼネコンに広がっていくという産業構造になっています。しかし、私たちのファンドが業界再編を促し、地域に特化した巨大ゼネコンを生み出すことができれば、それらすべてを地元で行えるようになるはずです。
もちろん、さまざまな考えを持つ経営者や従業員、それぞれに異なる企業風土を尊重しながら話をまとめるのは容易ではなく、シナリオを描き、実行する私たちには高い専門性と実行力が求められます。しかし、この夢の実現には、それ以上に「実績」が最重要です。さまざまなケースを成功に導いた経験を積まない限り、私たちの出資を受け入れていただけるはずもありません。そのため、現在はあの手この手を使った草の根の営業活動を展開しています。
危惧しているのは、地方の企業がM&Aによって都会や海外に出ていってしまうこと。競争に勝ち残るためにやむを得ないということもあるのでしょうが、私たち地方銀行としては地元に残って業績を伸ばしていただくのが一番です。これまで私を育ててくれた「地元のGDPを守る」という目的のためなら、どんな苦労もいとわない覚悟です。
1日のスケジュール Daily schedule
- 08:40
- 出社。メールチェックの他、外部専門家や社内各部門とのやり取りなどを行う。
- 10:00
- 支店担当者との同行訪問を行うため外回りに出発。
- 12:00
- 外回りの空いた時間を見計らって昼食。
- 13:00
- 引き続き外回り。規模の大きい商談は10人程度が参加し、長い時で2時間にも及ぶ。
- 16:00
- 帰社し、稟議書や契約書などの資料作成をはじめとしたデスクワークを行う。
- 17:30
- 翌日の準備を整え、退社。